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Archive for 2012

シャペル・サント・テレーズ教会の修復-その5

12月 5th, 2012 by

さて、取り付けです。
既に寒いフランスですが、まだ冷え込んではいないのでよかったです。
冬の教会内の作業はちょっと辛いですからね。


パネルを新たな目地で固定します。 目地(パテ)は、普通にガラス屋さんで
売っているもので、粘土のような 感じです。
寒いと堅いので、最初は手で揉んでやわらくしてから使います。
へらはこの形状がベスト。

ステンドグラスが入っている窓には鉄枠が設置されていますが、 錆びていると
目地が付かないということで、そこにはあらかじめ ペンキを新たに塗っておきました。
あとは、パネルをはめて、目地を詰めて行きます。
補強棒も忘れずに、パネルに接着した鉛線をくるるっと巻いて補強棒に 固定します。

終了!!!
これでしばらくは安心でしょうか。
あとは裏の金網をもう少し外側に設置し直せば、以後破損の可能性も少なくなるでしょう。
大きい工房だと、この金網の仕事も請け負うようですね。
工事中もちょこちょこ信者の方がお祈りをしたいと言って 教会を訪れてましたので、
これで雨風から彼らを守ることができるでしょう。
修復は結構作業が大変ですが、久しぶりの現場での仕事は楽しかったです。
学ぶことも大変多いです。
今度は絵付けのパネルだったらいいなあ。

シャペル・サント・テレーズ教会の修復-その4

12月 4th, 2012 by

ガラスが入ったら、開いた鉛を閉じて、接合部が外れてしまっていたり
汚い部分は半田します。
全体の寸法を整えて、あとはパテ作業で仕上げです。
パテが完了して、おがくずで磨いてやっとパネルが生まれ変わったと感じる 瞬間です。
そもそもほこりや雨風でものすごい汚れていますから、 それを取り除くだけでも
随分ときれいになります。

仕上げが終わったら、補強棒にパネルを固定するための鉛の破片を 半田で接着します。
こちらではエスカルゴと言われるものです。 パネル棒に結ぶ紐の役割みたいなものです。
まずは鉛にあらかじめ半田を付けておき、その後パネルに接着していきます。

こちらの教会のステンドグラスは、みんなこうやってエスカルゴが 付いています。
これで完成!

シャペル・サント・テレーズ教会の修復-その3

12月 4th, 2012 by

今回はクラシックな方法で修復しました。
ひび割れの部分はアタッシュという薄っぺらい鉛線で表裏から プロテクト。
ちなみに最近はシリコンやコッパーホイルでの修復も 行われています。

ガラスが破損して無くなってしまっているところには、新たに型を取って
新しいガラスを埋め込みます。
埋め込みはまず、入れる部分の鉛を開かなければなりません。
あと、入れるガラスは多少小さ目というのがコツでしょうか。
大きいと入りませんので。

ソフトケームだからやりやすいのでしょうかね。
これハードだとどうやるんだろう?
ヨーロッパのステンドグラスのテクニックを考えると、いずれ修復されるであろう
という前提で作られているような気がします。
後々ばらしやすいように作られていたり、柔軟性が見られます。
いいかげんなのではなく、将来を見越した作り方といえるでしょう。
なので12~3世紀のものを今も同じ姿で目にすることができるのかもしれません。

汚いパネルとの格闘がしばし続きます。 修復=根気ってとこですかね。
修復前と修復後はこんな感じになります。

シャペル・サント・テレーズ教会の修復-その2

11月 30th, 2012 by

さて、まずは取り外しです。
破損がひどいパネルはだいたい下に集中しているので、 状態を見て、
計10枚のパネルを取り外すことにしました。
サイズとしては、一枚が92×85㎝くらいです。

ステンドグラスは周囲をパテ(ガラス用の目地)で固定されていますので、
まずそれらを専用のナイフで取り除いて行きます。 補強棒も忘れずにセットで
取り外します。

結構取り外しにくいパネルもあったようです。 寸法ぎりぎりに作ったんでしょうかね。
少し余裕がある方が 後々何かと便利なんですが。
取り外した後は、雨風が入らないよう板などでカバーしておきます。 補強棒はカバーの固定にも使えて便利。

外したパネルはどの窓のどの部分に入っていたかが重要です。
忘れずにパネルに紙などを貼っておいた方がよいです。

外したパネルはこんな感じ。 そうぼろぼろです。粗大ごみになりそうなくらい。
鉛線も色が変わったりしていますが、そんなにまだ年数も経っていませんから
まだ大丈夫。鉛線はそのままで、ガラスを主に修復していきます。
鉛線がもっとぼろぼろな場合は、全てばらして、新しい鉛線で組立て直します。

シャペル・サント・テレーズ教会の修復-その1

11月 29th, 2012 by

モンタルジーにある、サント・テレーズ教会(Chapelle Sainte Therese des closiers)
のステンドグラスを修復しました。
アトリエから車で5分くらいのところにある教会です。

1953年に建てられた教会で、ステンドグラスは1965年に設置されたようです。
比較的新しい教会ですね。

ステンドグラスは東西の窓5か所づつ系10箇所あって、今回は東側の5つの窓
の修復を請け負いました。 ステンドグラスは絵付けはなく、色ガラスが組み合わ
されたデザインのもの。
主にガラスのひび割れや損失を修復するという内容です。

ステンドグラスを保護するために設置されている外側の金網が ちょっと細めで弱く、
しかもステンドグラスにとても近い位置で取り付けられて いるため、
側で子供たちがボールで遊んだりしている際に、そのボールが ぶつかったりなど
して破損したようです。
この場合、金網を施していてもあまり意味がないので、ステンドグラス修復とともに、
この金網をもっとステンドグラスより離して取り付け直すよう、教会関係者の方に
アドバイスを しました。
だって、せっかく修復してきれいになっても、また同じことですからね。

ステンドグラスはまあまあひどい状態で、ガラスが割れて損失してしまった
ところなどを、プラスチックの板でカバーして、スプレーで色を付けて 応急処置
していたり。。。 それはいいんですが、そのプラスチックの板は、鉛線にネジで
固定されていたりして、 鉛線に穴が開いてしまっていたり。
どこの教会も予算がありますから、こういった処置もしょうがないことで、
そうでもしないと雨が入って中が濡れてしまうからでしょうね。
ま、修復作業は、ステンドグラスがぼろぼろなほど燃えるってもんです!?